現在開会中の国会に食品衛生法の改定法律案が提出されています。今回の改定案では、「危害分析に基づく重要管理点監視方式(Hazard Analysis and Critical Control Point : 以下HACCP)」の考えが取り込まれています。HACCPは欧米などではすでに義務化されており、2020年の東京オリンピックを控えて厚生労働省はその法制化と事業者における導入の推進を急いでいるそうです。そこで、本日参加したHACCPセミナーで勉強した、「HACCPとそれを取り込んだ食品衛生法の改定案」について概要をお話しします。

■ HACCPとは
厚生労働省のホームページに掲載されている定義によると、HACCPとは
「原材料の受入れから最終製品までの各工程ごとに、潜在的な危害要因を分析・特定(危害要因の分析)した上で、危害の発生につながる特に重要な工程(重要管理点)を、継続的に監視・記録する工程管理システム」
のことです。

食品衛生法では、施設内外の清潔保持やねずみ・昆虫等の駆除など、一般的な衛生管理について、その基準を定めるものとしていますが、食品が人体に与える危害の要因はそれだけに限りません。HACCPでは、原材料の受入れから製造・流通・販売にいたるまでの工程において次のような危害要因が混入する可能性を管理します。
・ 微生物
・ 化学物質(アレルギー物質、農薬、洗剤)
・ 異物(石や金属など)
一方で、昆虫や毛髪などの混入防止については、一般的な衛生管理基準によって管理されていることから、HACCPの管理対象とならないそうです。

■ 食品衛生法改正案に取り込まれるHACCPの考え方
HACCPは、元々NASAで考案されたアプローチでしたが、国際的な組織であるCodex委員会によってガイドライン化されて、高度な食品安全基準としてすでにISO認証機関などで認証化されているそうです。このCodex委員会のガイドラインに基づくHACCP認証は極めて厳しく、追加の設備投資なども必要になるものだそうですか、今回の食品衛生法改正案に取り込まれたのは、そこまで厳密なものではありません。

具体的には、食品衛生法改正案では上記の危害要因について、
・ 自社が扱う製品に関してどのような危害要因があるのか分析し、
・ その危害の発生を防ぐために、をどのように監視するかマニュアル化して、
・ その実施状況を記録管理する
ことを求めています。

例えば、ハンバーグを提供するレストランであれば、 材料である挽肉にどのような微生物が混入する可能性があるか分析し、それによって食中毒などが発生しないようにどうやって監視するか(例えば、XX度以上の温度でXX分以上加熱して表面が十分焦げていることを目視により確認する、など)マニュアル化して、その実施状況を記録管理することが求められるということです。

■ 事業者にとっての負担
このようなことは料理をだす食堂などであれば当然にやっていることでしょうから、何か新しい設備投資を求めるものではありませんが、法制化されると、飲食店の営業許可申請にはこれまでの書類に加えてHACCP関係の書類の提出が必要になるということです。また、HACCPの考えに基づく管理は基本的にお店で提供しているメニューごとに行わなければいけませんので、居酒屋さんなどメニューの多い飲食店では大変な作業になる可能性があります。